横浜の中小企業診断士 鵜澤周矢ブログ

仕事や日々の出来事をつれづれと書いてます。

もう一つの「ものづくり補助金」

前回の記事では「ものづくり・商業・サービス革新事業(新ものづくり補助金)」の採択情報を紹介しましたが、5月15日付けで「ものづくり・ 商業・サービス革新事業(取引環境改善型需要開拓支援事業)」の採択者が発表されました。

 

ものづくり・ 商業・サービス革新事業(取引環境改善型需要開拓支援事業)のHPより

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話題の新ものづくり補助金とソックリなこの補助金、実は新ものづくり補助金と同じ予算枠で実施されている事業です。しかし、3月14日~4月7日までの1次締切で採択されたのは全国でわずか8件でした。公募期間の短さもありますが、この補助金自体の認知度が低いのが原因ではないかと思います。

 

取引先事業所の閉鎖等の影響により売上減少が見込まれる中小企業・小規模事業者が新たな取引先を開拓するために必要な市場調査や試作開発及び事業実施に必要な設備投資等に要する経費の一部を補助。PRチラシが分かりやすいです。

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補助率2/3、上限額1000万円というのは新ものづくり補助金(一般型)と同様の補助内容です。

さらに、新ものづくり補助金は試作開発・設備投資が補助対象なのに対し、この補助金はそれに加えて販路開拓・市場調査も補助対象となります。具体的には、展示会出展費や広報費、市場リサーチの委託費といった経費が補助対象経費に含まれます。

 

  • 取引先の閉鎖・縮小による売上減少が必要条件

この補助金の最大の特徴がこの売上減少条件です。具体的には過去3年以内、または申請の日から向こう3年以内に取引先が閉鎖・縮小したことにより、売上が10%以上減少となることが必要条件です。

一般的な補助金申請の場合、いわゆる優良企業がさらに成長をめざすため補助金制度を活用するケースも多く、そういった企業は資金なども豊富で事業基盤がしっかりしているため、計画の精度や実効性も高いという傾向があります。

こうした優良企業と比較して、経営が悪化している企業が補助金を活用しようとした場合、事業基盤の弱さから十分な計画が立てられず、補助金採択に至らないこともあります。優良企業が立てた計画と勝負しなければいけないので、必然的にハードルが高くなってしまうわけです。

 

その点では、この補助金は売上減少が生じる企業だけが応募できるため、同じような環境にある企業同士が審査されることになります。他の補助金と比べて対象者にとって活用しやすい補助金といえるのではないでしょうか。

 

  • 募集期間は?

随時受付中で、予算に達した時点で募集終了となります。応募を検討される方は是非早めに申請を行いましょう。

特に、新ものづくり補助金への申請を検討中の方は、この補助金の条件である取引先縮小・売上減少に当てはまる場合、こちらで申請をしてみるのも一考の価値アリと思います。

新ものづくり補助金 1次公募3/14締切分の採択結果が公表

新ものづくり補助金 3月14日に締切分の採択結果が公表されました。

中小企業庁HP 新ものづくり補助金1次公募1次締切 採択結果の公表

 

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2月17日から3月14日までの公募期間で、全国の応募件数は7,396件。そのうち採択された件数は2,916件、割合にすると約4割(39.4%)の採択率でした。昨年同様、なかなかの狭き門となっています。

採択案件は計画名が公表されていますが、内容を見るに、ものづくり技術による申請が多数を占めており、革新的サービスによる申請は少ないように思えます。やはり課題設定や計画の立てやすさという点では、ものづくり企業の方が作り慣れているのかもしれないですね。

採択された方は、この後に交付申請の手続きが控えており、これが完了してから実際の事業開始となります。神奈川県の事業者の場合は、5月8日(木)に採択者向け説明会が開かれます。重要な手続きですので、忘れずに参加しましょう。

 

神奈川県中小企業団体中央会のHP

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また、5月14日の1次公募2次締切での申請を目指す場合は、連休明けには締切が目前に迫ります。認定支援機関の確認や、提出直前の最終確認を考えると、この連休が申請書作りの最後の山場になりそうですね。

採択されるためにも事業計画の作りこみは重要ですが、自分のビジネスを見直すことは補助金を受ける以上の価値があります。補助金申請にチャレンジする方は、申請書作りを通じて、自社の戦略を再考してみましょう!

 

小規模事業者の方には、補助金申請サポート制度など計画づくりの支援施策も講じられています。こうした国の施策も積極的に活用したいですね。

小規模事業者対象!無料で補助金申請のサポートが受けられる制度が始まりました。

4月1日より、小規模事業者の方限定で、補助金申請書の作成をサポートする国の制度が利用できるようになりました。

 

中小企業庁HP 補助事業申請サポート開始!!~小規模事業者等の皆様の補助金申請をお手伝いします~

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この制度のポイント

・申し込みできるのは「小規模事業者」に限定

※小規模事業者・・・従業員が20人以下(商業・サービス業(宿泊業・娯楽業は除く)の場合は5人以下)の法人・個人事業主

・作成した申請書について、アピールすべきポイントや記載の不備がないかなどについて、専門家のチェック・アドバイスが受けられる。(いわゆる作成の丸投げではないので注意!)

・相談は無料で、最大2時間まで。

・利用するには申込書を作成して、メールかFAXをすればOK。

 

 

さて、突然始まったこの補助金申請サポート事業。背景としては昨年に全国で行われた“ちいさな企業”成長本部などで挙げられた意見を踏まえての事業ということです。昨年末にこのブログでも取り上げましたが「補助金申請書を原則3枚以内にします」といった取り組みも、これらの意見が基になっていると思われます。

 

・中小企業庁HP “ちいさな企業”成長本部での主な意見 より抜粋

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はたして、これらの意見を挙げられた方々にとって、使い勝手の良い制度となっているのか? 実際のところは使ってみないとわかりませんが、小規模事業者の意見を反映して作られたせっかくの制度です。費用もかかりませんし、補助金に興味があるけど申請にハードルを感じている方は、利用を検討してみてはいかがでしょうか?

 

 

4/6(日)「中小企業診断士的ビブリオバトル」開催!何とNHK「おはよう日本」の取材も決定!

以前の記事でも書きましたが、診断士仲間と一緒に「中小企業診断士ビブリオバトル」というイベントを定期開催しています。

次回は4月6日(日)15時から関内のYOKOHAMA Three Sで開催予定なのですが・・・

 

 何と、このイベントにNHK朝のニュース番組「おはよう日本」の取材が行われることが急きょ決定しました!!

突然の出来事に関係者一同てんやわんやしています・・・(笑)

 

ビブリオバトルについては、有隣堂Webの紹介動画で簡単にわかります↓

 

 

この「中小企業診断士ビブリオバトル」は当初、診断士同士の交流や人前で話す練習として、中小企業診断士がお勧めする本を紹介しあうという企画でした。

始めは公共施設の貸し会議室などでひっそり行っていましたが、YOKOHAMA Three S(スリーエス)さんの協力で会場を提供してもらい、食事やお酒を楽しみながら誰でも参加できる公開イベントとして開催するようになりました。

また、同じく横浜でビブリオバトルの普及に力を入れている有隣堂さんとの交流から、他のビブリオバトルへの参加なども行うようになり、少しずつ認知度が高まってきているところでした。

 

そんなところに、今回のNHKからの取材依頼・・・!!

参加メンバーに取材の話が伝わると

「いつも以上に本の選択に気合を入れます」という人や、

「髪型のセットに時間をかけます」という人もいて、 

皆の意気込みの高さが伺える発言が飛び交いました。

 

今回も一般公開イベントですので、参加者大募集中です!

バトラー(発表者)として参加したい方、見学で参加したい方どちらも大歓迎!中小企業診断士じゃない方でもOK!

 

日程:4月6日(日)14:30 開場 15:00-17:00 ビブリオバトル開催

場所:マルチエンタメ ライブ食堂 YOKOHAMA Three S(http://r.goope.jp/three-s) 

   神奈川県横浜市中区太田町4-45 第一国際ビル地下1(Google マップ

料金:500円+1オーダー 

申込方法:お店の電話(045-662-5255)またはメールフォームにて申し込み下さい。

 

NHKでオンエアされる可能性もありますので、おめかししての参加をお勧めします!

4月に神奈川県の「ものづくり・商業・サービス革新事業」補助金説明会が開かれます

いわゆる「新ものづくり補助金」の神奈川県地域事務局での説明会が、4月9日、23日に開催されます。両日とも午前の部・午後の部があり、2日間で計4回の開催です。

 

詳細および申し込みは、神奈川県地域事務局(神奈川県中小企業団体中央会)のサイトで確認できます。

リンク:新ものづくり補助金公募説明会の開催について

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新ものづくり補助金の1次公募は、既に3月14日に第1次締切が終了しています。

次は5月14日が第2次締め切りになりますので、神奈川県で応募を検討される方は忘れずに申し込みをしておきましょう、先着順です!

 

 

また、新ものづくり補助金の他にも、現在募集中の補助金があります。

補助金活用を検討されている方は、こちらも合わせてチェックしておきましょう!

 

取引先の事業所の閉鎖・縮小により10%以上売上減少が見込まれる中小企業・小規模事業者が、新たな事業展開をするために必要な設備投資等を補助。

 補助率:2/3

 補助上限額:最大1000万円まで

 募集期間:3月14日~随時受付

 

中小企業・小規模事業者が保有する老朽化設備の新陳代謝を促進するため、金融機関から借入を行い、老朽化に対処した大規模設備投資を行う場合、金融機関のモニタリング実績に応じ、借入額の1%相当を上限に設備投資費を補助。

 補助率:借入額の1%

 補助上限額:上限なし

 募集期間:3月20日~随時受付

 

小規模事業者が、商工会・商工会議所と一体となって作成した経営計画に基づく、販路開拓等に取り組む費用を補助。

 補助率:2/3

 補助上限額:最大50万円まで

 募集期間:2月27日~5月27日

 

 新たな需要を創造する新商品・サービスを提供する創業に対して、店舗借入費や設備費等の創業に要する費用の一部を補助。

 補助率:2/3

 補助上限額:最大200万円まで

 募集期間:2月28日~6月30日

 

 

 

補助金を検討する際は、当ブログの過去記事も参考にしてみてください。

 

「手続きのめんどくささ」を理解したうえで、補助金を上手く使うやり方。

 

本格的に動き出した新年度の補助金ラッシュ

3月以降、新年度の補助金が続々と公募開始となっています。

現時点での補助金情報を整理してみました。

 

まず全体の俯瞰で役立つのが、中小企業庁HPの公募状況一覧表 

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ここで平成25年度補正・26年度予算の補助金の公募状況や今後のスケジュールが公表されています。気になる補助金の募集時期はこれで確認。

 

 

次に、現在公募中の補助金の中で、特に注目のものをいくつかピックアップしてみます。

 

中小企業・小規模事業者が試作品・新商品の開発や生産プロセスの改善、新しいサービスや販売方法の導入などの事業革新に取り組む費用に対する補助。

 補助率:2/3

 補助上限額:最大1000万円(分野によっては700万~1500万)

 昨年度人気だったものづくり補助金が、予算と対象事業を拡大して再登場。今回の補正予算の目玉とも言える補助金ですね。1次締切が先週3月14日に終了したところなので、これから取り組む場合は5月14日の2次締切を目指すことになります。

昨年度の採択企業もテーマが異なれば応募可能なことや、対象とする事業の間口が広がって応募者の増加が見込まれることから、競争は激戦になることが予想されますね。

 

取引先の事業所の閉鎖・縮小により10%以上売上減少が見込まれる中小企業・小規模事業者が、新たな事業展開をするために必要な設備投資等を補助。

 補助率:2/3

 補助上限額:最大1000万円まで

新ものづくり補助金と同じ予算枠で行われる補助事業。特徴的なのは、新ものづくり補助金が設備投資や試作開発の補助に限定しているのに対して、こちらの補助金では市場調査や販路開拓の費用も補助対象としている点です。

とはいえ、ニーズ調査などを全く行わずに計画を作っても採択されるとは思えませんので、最低限の事前調査は自社でやる必要はあるのでしょうね。

 

小規模事業者が、商工会・商工会議所と一体となって作成した経営計画に基づく、販路開拓等に取り組む費用を補助。

 補助率:2/3

 補助上限額:最大50万円まで

例として①広告宣伝のチラシ作製、②集客UPのための店内改装、③商品パッケージのデザイン、などが挙げられています。補助上限額は50万円と控えめですが、使い勝手は良さそうに思えます。ちなみに商工会・商工会議所は、会員でなくても相談は受け付けてくれる場合があります。気になる方は一度相談してみては?

 

 新たな需要を創造する新商品・サービスを提供する創業に対して、店舗借入費や設備費等の創業に要する費用の一部を補助。

 補助率:2/3

 補助上限額:最大200万円まで

ものづくり補助金と同じく、昨年度人気だった創業補助金が続投。ただし全体の予算は縮小となり、補助上限額も一律200万円までとなりました。

6月30日までが期限ですが、3月24日までに提出した場合は先行審査が行われます。

 

 

以上、平成26年3月19日現在で募集中の主な補助金をまとめてみました。

どの補助金についても共通して言えることは、単なる願望や希望を描いただけの計画では採択は難しく、目的・課題・効果が明確な計画を立てる必要があるということです。

個人的には、補助金制度の最大のメリットはお金を貰えることではなく、実効性の高い計画を作るということそのものにあると考えています。

計画づくりの支援は中小企業診断士の得意とするところですので、疑問や相談があればぜひ我々診断士にご相談下さい!(と、宣伝で締めてみる)

 

 

補助金については過去の記事も参考にしてみてください。↓

 

補助金で本当に大変なのは、実は採択された後という話。

 
「手続きのめんどくささ」を理解したうえで、補助金を上手く使うやり方。

中小企業再生支援セミナーと「経営者保証に関するガイドライン」の話

去る2月24日に、中小企業基盤整備機構主催の中小企業再生支援セミナーに参加してきました。

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特に注目された話題は2月1日から適用開始となった「経営者保証に関するガイドライン」について。

 

【経営者保証に関するガイドラインとは?】

これまで金融機関が中小企業に融資を行う際は、経営者に連帯保証を求めるのが一般的でしたが、今回のガイドラインでは次のような方針を国が示しています。

 ①中小企業であっても、一定の要件を満たしているのであれば、金融機関は保証を求めない融資や保証に代わる手段を検討すること。

 ②既に保証付きの融資を受けている中小企業が会社を清算する(つぶす)とき、ガイドラインに示した要件を満たしている場合は、一定の財産を残すこと。

上記は凄くざっくりとした説明なので、正確に理解したい人は下記のリンクからガイドライン本文や広報チラシをご覧ください。

 

「経営者保証に関するガイドライン」に基づく保証債務の整理に係る課税関係の整理に関するQ&Aについて - 日本商工会議所

 

「経営者保証に関するガイドライン」に係るチラシについて(経営者保証に関するガイドライン研究会) - 日本商工会議所

 

 

セミナーでの話を聞くに、ガイドライン策定の背景には、過去に行った金融円滑化法(いわゆる借金が返せなくなった会社の延命措置)に対する反省があるようです。

円滑化法の本来の意図としては、事業内容が悪化した中小企業の借金返済を猶予することで、事業の立て直しを図ってもらうことが目的でした。しかし現実には、猶予の期間中に効果的な立て直しがなされず、単なる先送りに終わってしまった面がありました。

安倍政権の掲げる「日本再興戦略」では、日本の開廃業率を海外諸国並みの10%に引き上げることを目指していますので、今後は事業が立ち行かなくなった会社を延命させるよりも、早い段階で整理を促して再チャレンジの土台を作ることで、中小企業の新陳代謝を高めようとする意図があるのかもしれません。

いずれにしても、これまでの先送り的な方針からは全く違う方向へ、大きく舵を切ったと言えるでしょう。

 

新たな成長戦略 ~「日本再興戦略-JAPAN is BACK-」~ 日本産業再興プラン | 首相官邸ホームページより

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中小企業がこの経営者保証に関するガイドラインを活用するにあたっては、会社法人と経営者個人の間で業務・経理・所有資産の区分が明確にされていることなどが要件として求められています。

会計事務所で中小企業の経理を見てきた立場としては、現実に債務に苦しむ中小零細企業にとって、この要件をクリアすることは大変な負担になるだろうと感じます。

そういった事情を踏まえてか、こうした債務整理に取り組む際は弁護士・会計士・税理士などの専門家を派遣する制度も設けられるようです。

 

ガイドラインの適用は始まったばかりですので、具体的な活用事例が出て来るのはこれからです。セミナーに登壇していた金融機関や再生支援機関の方々は、このガイドラインの活用に大きな期待を寄せている様子でした。

中小企業診断士としても、事業の再チャレンジや再生の力になれるよう、これまで以上に本気の取り組みが求められると考えています。中小企業支援者の責任は重大です!