横浜の中小企業診断士 鵜澤周矢ブログ

仕事や日々の出来事をつれづれと書いてます。

補助金で本当に大変なのは、実は採択された後という話。

アベノミクスの影響か、ものづくり補助金や小規模事業者活性化補助金、創業補助金など、今年は補助金バブルとも言えるくらい各種補助金の制度が増えました。

補助金というと、事業計画が採択されるかどうかに注目が集まりがちですが、採択後から補助金交付までの事はあまり話題になりません。

なので、今回はそのあたりについてちょっと書いてみます。

 

・採択されてもすぐお金はもらえない。

ほとんどの補助金は「精算払い」といって、採択された事業計画が完了して、経費の支払いが終わった後にお金が交付されます。

補助金がもらえるまでの間は自分でお金の手当をしないといけないわけですね。

自己資金が十分でない場合は、銀行などからお金を借りてやりくりすることになります。

 

・補助してもらう経費を事前に報告しなければいけない。

無事に計画が採択されても、すぐに経費を使い始めることはできません。補助の対象とする経費を見積もって、事前に経費の承認(交付決定)を受ける必要があります。

お金を使う前に、補助金の交付規定に沿ったものかどうかをチェックするわけです。見積書や仕様書などの根拠資料が必要とされることも。

この手続きの前に契約や支払いを行ってしまうと、補助金そのものが受け取れなくなる場合もあるので要注意です。

 

・補助対象とした経費の資料は、不備の無いように整備しておかないといけない。

交付決定されて初めて経費が使えるようになるわけですが、請求書や銀行振込証明などの書類を、漏れや不備なく規定通りに必要資料を整備しておかないといけません。

印鑑の有無や担当者のサイン、書類の日付、金額、支払先の口座番号などの整合が取れているかなど、かなり細かいチェックが行われます。不備があれば修正を求められますし、場合によっては補助金が減額されてしまうこともあり得ます。

普段の業務と同じ感覚で資料整備をしていると、思わぬところでトラブルが生じる恐れもあるので気をつけましょう。

 

・経理や支払いの方法にもルールがある。

補助金事業に関しては、一般の事業と区別して経理することが必要になるケースもあります。また、お金の支払なども、補助対象の経費と一般経費を一緒に支払うことを禁止されていたり、手形による支払いはNGとされている場合があります。

知らずに間違った場合でも不備になってしまうこともあるので、これまた要注意です。

 

・実地検査の対応をしないといけない。

ここまでは書類や事務手続きの注意点を書いてきましたが、この他に現地調査にも対応しないといけません。

試作品や購入した物品、経営者や担当従業員へのヒアリングなどが行われて、書類だけでは確認できない点がチェックされます。

やりっぱなしでOKではなく、ちゃんと事業の成果を説明できることが必要なわけです。

 

補助金を受け取った後にも手続きが必要なことがある。

大変な手続きを終えてようやく補助金を受け取ったあとも、その後の事業の状況報告が求められることがあります。税金を使って支援している以上、その成果もきちんと把握しないといけないわけです。概ね5年程度の期間、報告を求められるケースが多いです。

また、補助金によっては、その成果によって事業で収益が上がった場合に、収益の中から補助金の返還が求められる「収益納付」という制度がありますので、後になって想定外の支出とならないよう、事前によく確認しておきましょう。

 

・忘れたころにあるかもしれない「会計検査」

国の補助金の場合、税金が財源となっているため、補助金が規定に沿って適切に交付されているかをチェックする「会計検査院」が監査にやってくるケースがあります。

検査自体は補助金を貰う際に済ませているんじゃないの?と思いますが、補助金交付の際に検査を行う事務局は、補助金を適切に活用して成果を上げて貰うという目的がありますので、個々の事業者の状況も踏まえて相談に対応し、できる限り不備にならないよう修正・指導します。

一方、会計検査院の目的は「税金の不正な使途が無いか調べる」ことですので、検査では事務局よりも厳格にチェックされ、もし不備とみなされれば、厳しく補助金の返還を求めてくる可能性が高いと考えられます。

全ての事業者に会計検査が入るわけではないですが、不運にも検査対象になってしまった場合、後から厳しい指摘を貰って補助金返還とならないよう、しっかり注意しておきたいですね。

 

以上、補助金に採択された後に待っている、注意点の一部を上げてみました。(これでも一部です!)

想像以上に「めんどくさ!」と思われたのではないでしょうか?

正直、大変な手間がかかる点は否めないですが、こうしたルールに則さない限り補助金は交付されません。

 

次回は、こうした面倒さを理解したうえで、どう補助金を活用すればいいのかについて書いてみたいと思います。