横浜の中小企業診断士 鵜澤周矢ブログ

仕事や日々の出来事をつれづれと書いてます。

会社サイトを作ったのでブログもそちらに移転しました

中小企業再生支援セミナーと「経営者保証に関するガイドライン」の話

会社サイトを作ったのでブログもそちらに移転しました

去る2月24日に、中小企業基盤整備機構主催の中小企業再生支援セミナーに参加してきました。

f:id:smec_uzawa:20140224125736j:plain

特に注目された話題は2月1日から適用開始となった「経営者保証に関するガイドライン」について。

 

【経営者保証に関するガイドラインとは?】

これまで金融機関が中小企業に融資を行う際は、経営者に連帯保証を求めるのが一般的でしたが、今回のガイドラインでは次のような方針を国が示しています。

 ①中小企業であっても、一定の要件を満たしているのであれば、金融機関は保証を求めない融資や保証に代わる手段を検討すること。

 ②既に保証付きの融資を受けている中小企業が会社を清算する(つぶす)とき、ガイドラインに示した要件を満たしている場合は、一定の財産を残すこと。

上記は凄くざっくりとした説明なので、正確に理解したい人は下記のリンクからガイドライン本文や広報チラシをご覧ください。

 

「経営者保証に関するガイドライン」に基づく保証債務の整理に係る課税関係の整理に関するQ&Aについて - 日本商工会議所

 

「経営者保証に関するガイドライン」に係るチラシについて(経営者保証に関するガイドライン研究会) - 日本商工会議所

 

 

セミナーでの話を聞くに、ガイドライン策定の背景には、過去に行った金融円滑化法(いわゆる借金が返せなくなった会社の延命措置)に対する反省があるようです。

円滑化法の本来の意図としては、事業内容が悪化した中小企業の借金返済を猶予することで、事業の立て直しを図ってもらうことが目的でした。しかし現実には、猶予の期間中に効果的な立て直しがなされず、単なる先送りに終わってしまった面がありました。

安倍政権の掲げる「日本再興戦略」では、日本の開廃業率を海外諸国並みの10%に引き上げることを目指していますので、今後は事業が立ち行かなくなった会社を延命させるよりも、早い段階で整理を促して再チャレンジの土台を作ることで、中小企業の新陳代謝を高めようとする意図があるのかもしれません。

いずれにしても、これまでの先送り的な方針からは全く違う方向へ、大きく舵を切ったと言えるでしょう。

 

新たな成長戦略 ~「日本再興戦略-JAPAN is BACK-」~ 日本産業再興プラン | 首相官邸ホームページより

f:id:smec_uzawa:20140207183818p:plain

 

中小企業がこの経営者保証に関するガイドラインを活用するにあたっては、会社法人と経営者個人の間で業務・経理・所有資産の区分が明確にされていることなどが要件として求められています。

会計事務所で中小企業の経理を見てきた立場としては、現実に債務に苦しむ中小零細企業にとって、この要件をクリアすることは大変な負担になるだろうと感じます。

そういった事情を踏まえてか、こうした債務整理に取り組む際は弁護士・会計士・税理士などの専門家を派遣する制度も設けられるようです。

 

ガイドラインの適用は始まったばかりですので、具体的な活用事例が出て来るのはこれからです。セミナーに登壇していた金融機関や再生支援機関の方々は、このガイドラインの活用に大きな期待を寄せている様子でした。

中小企業診断士としても、事業の再チャレンジや再生の力になれるよう、これまで以上に本気の取り組みが求められると考えています。中小企業支援者の責任は重大です!